【2/15(月)】刺さったままのトゲ@オーラのないマッチメーカー岡田有司

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刺さったままのトゲ

今日は以前書いたブログのリバイバル。

 

今は教室現場に立っていない私ですが、これでも昔はバリバリの教室長だったんですよ(笑)。

サラリーマン時代、教室長現場にいなかったのは一年間だけ。
 
エリアマネージャーをしている時も、教室長を兼務したりして、教室にいましたからね。
 
だから、今でもいっぱい当時のトゲが刺さったままです。
 
ん?トゲ?
 
はい、救えなかった生徒達への後悔(=トゲ)です。

 
随分、昔の話です。
 
私が新入社員の時。
 
最初のトゲが突き刺ささりました。
 
私が配属された教室に、不登校の中3生でI君という子がいたのですが、塾はたまに休むこともありましたが、それなりに頑張って来てくれていました。
 
でも、ほとんど喋ってくれない生徒で、私が授業も担当していたのですが、なかなかコミュニケーションが取れなかったんですよね。
 
だから、私には、彼が何を考え、何を望んでいるのか、さっぱり分かりませんでした。
 
そして、困り果てた私は、半ば強引に、交換日記をしようと彼に提案して、そのやり取りをスタートさせたのです。
 
交換日記なんて柄にもなかったですが、何かの突破口になるんじゃないかと期待してね。
 
 
でも、彼が書いてくるのは、ほんの数行の文章。
 
しかも、やったことが書いてあるだけで、彼の心の内は全く書いてくれませんでした。
 
一応、授業はそれなりに進められるものの、とてもとても高校受験を突破できるだけの進捗ではありません。
 
たぶん、彼は高校に行く気はないんだろうなって、私は思いましたね。
 
だって、「高校には行きたい?」って聞いても、頷きもしなかったですからね。
 
だから、私、正直どうしていいのか分かりませんでした。
 
それどころか、やる気のない面倒な子だと思っていたんだと思います。
 
まあ、こんな膠着状態がしばらく続いたわけです。
 
 
すると、ある日の交換日記に、こう書かれていました。
 
「先生、僕、本当は高校に行きたい…」
 
えっ!
 
私、自分の目を疑って、何度も見直しましたよ。
 
確かに書かれている!初めて彼自身の気持ちが。
 
しかも、高校に行きたいって…。
 
この時のこと、私は今でも鮮明に覚えています。
 
 
えっ?何故覚えているのかって?
 
それは、「先生」と呼ばれていた自分が最低な塾の先生だと気付かされたからです。
 
そう、彼のことをやる気のないどうしようもない生徒で、どうせ高校にも行く気がないんだと決めつけていた最低の先生、それが当時の私でした。
 
私は無性に申し訳ない気持ちになり、この子を何とか高校に行かせてやりたいと強く思いました。
 
 
それ以降、他の講師の先生にも協力してもらって、何とか受験の前日まで頑張ってきました。
 
いよいよ、受験本番は明日。
 
「明日、頑張って来いよ!」と声をかけて、彼を塾から送り出しました。
 
そして、翌日の夜。
 
受験の手ごたえを確認するために、お母さんに電話しました。
 
「I君、今日はどうでした?」
 
「先生、すみません…。実は、あの子、受験に行けなかったんです…。」
 
「えっ…」
 
その日以来、彼は塾には来ませんでした。
 
電話にも出てくれませんでした。
 
私は何とも言えない気持ちになりました。
 
だって、勇気を出して、私だけに「高校に行きたい」って言ってくれたのに、私は彼の希望を叶えてあげることはできなかったのです。
 
もちろん、彼は不登校生だったので、受験当日にテストを受けに行けなかったのは、もしかして、私の責任ではないのかもしれません。
 
でも、この時の私は、そんなふうに自分を慰めることはできませんでしたね。
 
とにかく、自分の力不足を責めました。
 
 
まあ、冷静になって考えてみると、我々はスーパーマンでも何でもないんだから、全ての生徒の望みを叶えてやることなんてできません。
 
そんなことができると思っているとしたら、とんでもない勘違い野郎です(笑)。
 
でも、今でも、この時の「トゲ」が私の心の中に刺さったままなんですよね。
 
この生徒は、新米の塾の先生だった私に、「先生」という仕事の難しさと尊さを教えてくれた生徒の一人です。
 
それにしても、彼は今どうしてるのかな?
 
もう40歳半ばのおっさんになっているはずですが(笑)。
 
 
オーラのないマッチメーカーこと、株式会社WiShipの岡田でした爆笑