3月からメルマガで『個別指導の神様が降りてきた!~開校1年間で生徒数100名の個別指導塾にする方法~』を1話ずつアップしてきました。
本日、最終回です。
これ、何度もお伝えしているように、当塾の立ち上げ時のほぼほぼ実話の物語です。
で、今、何故、これを再び公開しているのか?
1つはブログをあまり書きたくなかったから(笑)。
コロナ、コロナで大変な時期に、能天気なブログも書きたくないし、だからと言って、重苦しいブログも書きたくないし、それで『個別指導の神様が降りてきた!』の再掲載に逃げたという感じでしょうか(笑)。
でもね、もう1つ理由があって、今回、原点に立ち返りたかったからなんですよね。(これを読まれている皆様にとっては関係ない話ですけどね…(^-^;。)
その原点とは・・・
無名の小さな小さな塾を立ち上げた時の気持ち。
この時、ちゃんと塾が立ち上がるのか不安一杯の中、一件一件の問合せが嬉しくて、生徒一人一人の入塾が本当に有り難くて、多くの人の期待に応えられるように頑張ろうと思ったわけです。
今もまさに同じ。
新型コロナで、この先どうなるか分からない不安の中、塾でもパソコンごしにしか生徒達に会えない状況が続いているので、改めて、生徒達が塾に普通に通って来てくれることは当たり前のことじゃないんだという感覚になったのです。
だから、あの頃のように、もう一度、一人ひとりを大切にして、多くの人の期待に応える塾であり続けようと思って、この小説をアップし続けたのです。
ということで、今日は『個別指導の神様が降りてきた!』の最終回。せっかくなので、ブログでも少しだけどうぞ(^_-)-☆
最終話.「約束の日」の巻
ついに迎えた11月30日。
ビラ配りの甲斐あって1名の入塾があり、生徒数はいよいよ99名。
そして今日、武太が予定している入会面談が一組。
すでに親子は面談室に通してある。
正真正銘、おそらくこれがラストチャンス。
あとは、エース・武太に任せるだけだ。
「頼むね」
「はい、任せてください!」
いよいよ、運命の入会面談が始まる。
しかし、最後の最後に難敵が待ち構えていた。
どうやらこの親子、一筋縄ではいかなさそうだ。
教室に入って来た時から子どもの様子が変だとは感じていたが、どうやら、お母さんに無理矢理連れて来られたらしい。
さすがの武太も糸口がつかめず、かなり苦戦していた。
「竜之介君、何でそんなつまらなそうな顔してるの?」
「別に」
「塾に行くのは嫌?」
「うん」
「あんた!何言ってるの!塾に行かなきゃダメでしょ!」
母親はヒステリックに喚き立てている。
「まあまあ、お母様。もう少し本人の話を聞きましょう。で、竜之介君。竜之介君はどうして塾に行きたくないの?」
「だって、自分だけの力でもう少し頑張ってみたいもん」
「あんた何言ってるの。自分一人じゃできないでしょ!」
「できるって言ってるやん!」
このタイプの親はやっかいだ。独善的で子どもの話を聞かない。
「先生、この子の話はいいですから!今日、入塾の手続をして帰ります」
「もうちょっと待ってください。竜之介君の気持ちが大事ですから……」
武太は迷っていた。いや、武太だから迷っていたといえるだろう。
そもそも母親は「入塾させる」と言っているのだから、黙って申込書に記入してもらえば、難なくこの場で生徒数100名は達成だ。
しかし、本人が嫌がっているのを無理に入塾させることは子どものためにならない。
そういう考え方ができるのが武太であり、これまで99人の子どもたちの心を鷲掴みにしてきた彼女の天性なのだから。
しかし会話は膠着状態。
これ以上の進展は望めそうになかった。
武太は面談室から少し後ろを振り返り、困ったような視線を私に送る。
しかし私はためらうことなく、黙って頷いた。
(自分の良心に従え)
すみません!この続きはメルマガで(笑)。
最終話.「約束の日」の巻