刺さったままのトゲ(その3)
今日は昨日と違って、真面目なトゲの話に戻ります(#^.^#)。
実は、私にはまだまだ一杯トゲが刺さっていまして。
特に二十代は刺さりまくりでした(笑)。
だから、今でも特に忘れられない生徒が何人もいて、その子たちのトゲが刺さったままなのです。
まず、中3のYくん。
陽気ないい子。
でも、あまり勉強が好きではなく、「ちゃんとやる」ってすぐ約束する割には、全然やらなかったですね。
しかし、母子家庭だったこともあり、金銭的にも公立高校しか行けないという事情で、公立高校一本の受験。
でも、結果は不合格。
私にとっては初めての不合格、滑り止めもない不合格…。(自分の不合格は経験していますが。)
すぐにお母さんと生徒本人を呼んで面談をしましたが、顔を真っ赤にして「お母さん、ごめん。お母さん、ごめん」って言って泣いていた彼の顔は今でも忘れられません。
本当に辛かった。(もちろん、もっと辛いのはその子とお母さんだけど。)
この不合格は彼を本気にさせられなかった私のせいです。
1年間、私は何をしてたんだか…。
ほんと、無力な塾の先生ですよ。
その後、彼は定時制高校に行くことになりましたが、1年後に、塾に遊びに来てくれた時、「先生!オレ、定時制高校に行って良かったわ!今、めちゃくちゃ楽しいし!」って陽気に言ってくれたことで少し救われた気持ちになりました。
でも、もう二度とあんな泣き顔は見たくない。
だから、うちの塾に来てくれた生徒は絶対に頑張らせたいんです。
次に、中3のTさん。
気さくないい子。
勉強は得意じゃなかったけど、毎日、塾に来て頑張っていましたね。
ある日、そんな彼女に悲劇が襲うことになります。
併願の私立高校の受験の少し前に、お母さんが警察に逮捕されてしまったのです。
えっ!…私、一瞬、言葉が出ませんでした。
かなり動揺している彼女。(当たり前ですよね。)
その時、私は何を話したかは覚えていませんが、とにかく話をして、少し落ちつかせたことは覚えています。
元々、お父さんはいなくて(彼女が小さな時に亡くなっていて)、病気がちのおばあちゃんと二人っきりの生活になってしまいました。
その後、みんなで励ましつつ、たまに塾内でご飯も奢りつつ、勉強も頑張らせて、何とか私立の併願校は合格することができました。
本命の公立高校は不合格だったか、受験出来なかったか私の記憶が薄れてしまいましたが、とにかく最終的にはその私立高校に進学することに。
でも、入学金が期限までに払えないという事態に…。
その時、もう時効(?)だから言いますが、担当講師の先生がその子に入学金を貸してくれたのです。
神様みたいな講師の先生です。(この先生、学生アルバイトですよ。)
このことは後で聞いたのですが、私は何もできませんでした。
ほんと、無力な塾の先生ですよ。
もちろん、塾の先生としてやれることの限界はあるし、やっぱりスーパーマンにはなれないけど、、、
それでも、もっともっと力をつけて、困っている生徒を救えるような先生になりたいと強く思いました。
だから、うちの塾に来てくれた生徒には「ここの塾生で良かった」って思ってもらえるようにしたいんです。
他にもそんな生徒は一杯いて、今でもそのトゲが私に刺さったままなのです。
なかなか抜けません(笑)。
そして、今の塾を作ってからも、教室現場にいた時代にそれなりにトゲは刺さっていて。
よく泣いていた気がするけど(武田に泣かされていた⁈)、人の気持ちの分かる優しくて明るい子のトゲ。
陰で私のことを「ゆうじ君」と呼んでいるちょっと失礼な奴だったけど(笑)、要領が良くてやればできる子のトゲ。
ちょっとヤンチャそうに見えるけど、実は真面目で優しくて、でも、早口で何を喋ってるか分からなかった子のトゲ。
真面目で勉強もできていい子なんだけど、何故か突然塾を無断でサボるモードに入る困ったちゃんのトゲ。
優等生でクラブ活動も頑張っていて、でも、大事な受験前の冬期講習をキャンセルしようとした子のトゲ。
その愉快なトゲ達(←まあ、みんな武田が厳しく愛情を注いで指導した生徒達なんですけどね(笑))が、実は今、社員として活躍してくれてます。
ん?…何だかトゲの意味が変わってるけど、まあ、いいか(笑)。
ということで、これからも、そんなトゲトゲしい塾を作りたいな〜って思う今日この頃です(笑)。
いや、正解に言うと、もう私には生徒のトゲは刺さらないと思うので、社員のみんなに期待してます(^。^)。
オーラのないマッチメーカーこと、株式会社WiShipの岡田でした。